プロダクトマネジャーとは?仕事内容から必要なスキル、給料まで本場アメリカでプロダクトマネジャーとして働く僕が解説します!

近年アジャイル開発の台頭に伴って、アメリカを中心に世界中で人気が高まっているプロダクトマネジャーという仕事ですが、日本ではまだ比較的新しい職業ですし、プロダクトマネジャーなんて最近まで聞いたことすらなかった方や、プロダクトマネジャーについて、何かなんとなくわかるけど「実際に何をする人なの?」「どれくらい稼げるの?」などの疑問を持っている人は少なくないと思います。

そこで、本投稿ではプロダクトマネジメントが今一番熱い国であるアメリカでプロダクトマネジャーとしては働く僕がプロダクトマネジャーについて具体的に解説します!

それでは早速、プロダクトマネジャーについてみていきましょう!

目次

プロダクトマネジメント・プロダクトマネジャーとは

プロダクトマネジメントの始まり

プロダクトマネジャーについて詳しくみていく前に、まずそもそもプロダクトマネジメントとは何かについてみていきましょう。

現代のプロダクトマネジメントというコンセプトは1931年にNeil H. McElroy氏がProcter & Gambleの中で新たな役職としてプロダクトマネジャーを正式に作ろうと言った趣旨のメモを作成したことに始まります。McElroy氏はメモの中でプロダクトマネジャーをセールスやマーケティングから顧客対応まで、ブランドに対して独自の責任を負う存在である”ブランドマン”だと定義しました。

プロダクトマネージャーは、彼の言うところの「ブランドマン」として、セールスやマーケティングから顧客対応まで、ブランドに対して独自の責任を負う存在として定義されました。このブランドマンの定義が、現代におけるプロダクト中心の組織構造と、顧客の声を伝えるプロダクトマネージャーの役割確立への道を拓いたのです。

Neil McElroy
Neil McElroy氏

現代のプロダクトマネジメント

働き方や会社の組織としてのあり方が研究され、多様化・発展した現代においてプロダクトマネジメントは以下のように定義されます。

プロダクトマネジメントとは会社という組織内にて、
プロダクト開発からマーケットに売り出すまでのプロダクトのライフサイクルを最初から最後まで管理すること

プロダクトのライフサイクルは会社によっても異なるのですが、ここではより一般的なライフサイクルについてみていきます。

product lifecycle
プロダクトマネジメントのライフサイクル

プロダクトのライフサイクルをみてもらえればわかるように、プロダクトマネジメントには非常に多くの責任範囲が含まれ、エンジニア部門やビジネス部門など他の事業部門にも関連する内容が多いです。これらのすべてに関わりリーダーシップをとっていくプロダクトマネジメントは、戦略、デザイン、経営、マーケティングを組み合わせてプロダクトを成功に導く組織横断的な役割を担っています。また、こうった特性から、プロダクトマネジメントのスタイルは会社や会社が開発しているプロダクトの特性によってそれぞれユニークなものになっていくことがよくあります。

プロダクトマネジャーとは

プロダクトマネジャーとは?という質問に対して簡潔に答えることは難しいですが、あえて一言で表すなら、

プロダクトマネジャーとはプロダクトとそのプロダクトのカスタマーに精通し、
プロダクトのブランディングや評価のすべてに対して責任を持つ役職

と言えるでしょう。また、プロダクトマネジャーに一番近いと言われている役職があります。それはスタートアップのCEOです。特にかなり早い段階のスタートアップはまだ成長途中で会社としての組織が大きくないため、プロダクトマネジメント自体が会社のすべてと言える時期があります。そのため、その全てを自分たちで回さないといけないスタートアップのCEOやCo-Founderといった役職とプロダクトマネジャーは非常に似通っているとよく言われます。

実際にアメリカの実業家であり投資家でもあるBen Horowitz氏はプロダクトマネジャーのことを”CEO of Product”と表しました。これはアメリカでプロダクトマネジャーとは何かを表すときにもよく引用される名言として知られています。

“A good product manager is the CEO of the product”

Ben Horowitz – Good Product Manager / Bad Product Manager

また、僕のお気に入りのプロダクトマネジメントに関する本(INSPIRED – How to Create Tech Products Customers Love)では、プロダクトマネジャーの仕事は「誰のどんな課題(What)をなんで(Why)解決しているのか」を定義しチーム全体に伝播することだと定義されています。

これらの格言でも言われているように良いプロダクトマネジャーとはプロダクトに対してのすべての責任を負って、カスタマーに常にフォーカスして彼らの問題を解決する意義を定義し、実際にプロダクトを開発するためにチーム全体をリードしていく役職なのです。

プロダクトマネジャーの仕事内容と責任

この項ではプロダクトマネジャーが具体的にどのような業務に責任を持っていて、それをこなすためにどのようなことをしているのかについて話していきます。プロダクトマネジャーは会社・組織の大きさによって多少働き方が変わってはきますが、ここではどんなプロダクトマネジャーにも共通する仕事に的を絞ってお話しします。

プロダクトマネジャーが責任を持つ仕事

  • ユーザーの特徴・問題を深く理解する
  • ユーザーの問題を解決するためのプロダクトのビジョンを定義しチーム全体に伝播する
  • プロジェクトに関わる全ての利害関係者にプロダクトのビジョンを伝え、合意を得る
  • プロダクトロードマップを作成する
  • エンジニアのタスクを管理し、プロダクトがクライアントに届くのを見届ける

これだけみても理解しにくいと思いますので、それぞれに対してできるだけ詳しく解説していきます。

ユーザーの特徴・問題を深く理解する

プロダクトマネジャーにとって、ユーザーと彼らが抱える問題を深く理解することは何よりも大切なことだとよく言われます。これはなぜかというと、プロダクトを生み出すときに最も大切なのは「そのプロダクトがある問題を解決するための最適な解決策であり、ユーザーの問題を解決することで本当の意味でユーザーやカスタマーに価値を提供している」ということだからです。この考えはUser-centered Product Development(ユーザーを中心に考えられたプロダクト開発)と言われアメリカを中心に会社やプロダクトを創り出す上で最も大切な考え方だとされています。

ユーザーの問題を解決ためのプロダクトのビジョンを定義しチームに伝播する

ユーザーの問題を理解できたら次はそれを解決するためのプロダクトのビジョンを明確に定義し、それをチーム全体に伝播することが必要です。ここでいうチームとは先ほど図で示したプロダクトマネジメントに関わる人たち全体のことでときには開発チームときには会社全体にもなりえます。

チーム全体でユーザーの問題とそれを解決するプロダクトのビジョンを共有することは非常に大切です。

なぜなら、プロダクトマネジメントに関わるすべての人たちが「なんで自分たちがそのプロダクトを作っていて、自分たちが作り上げるプロダクトが実際にどのようにユーザーの問題を解決しているのか」ということを理解るすことで、それを常に頭において共通のゴールを持って働くことができるからです。これはチーム全体が自分のしていることに意義を感じて仕事をするという仕事をする上で大切なことを実現することに多いに役に立ちます。

もし、あなたが今プロダクトやサービスの開発に携わっていても明確に誰のどんな問題を解決しているのかわかっていないのでしたら、あなたのチームのプロダクトマネジャーはあまり良いプロダクトマネジャーじではないかもしれません。

ちなみに、僕は今この記事を読んでいる人の抱える「プロダクトマネジメントに興味はあるが、プロダクトマネジメントとはなんなのかよくわかっていない」という疑問・問題を解決するために当記事というプロダクトを創り出しているという意識を常に持ってキーボードを叩いています。

プロダクトのビジョンを定義しチーム全体に伝播する、そのプロダクトに関する全てのビジョンと情報が記されているドキュメントが必要になります。このドキュメントはProduct Requirements Document (PRD)呼ばれます。PRDで細かく定義すべきプロダクトに対する要求(Requirements)を紹介します。

PRDで定義する主なProduct Requirements

    • ターゲットユーザーや解決する問題などの全体的なビジネス目標やKPI
    • エンジニアによるプロダクト開発において必要なユーザーストーリー(User Story)の定義
    • プロダクトのUX・UIデザイン
    • いつまでにどんな機能を実装するかといったタイムラインやデッドラインを含めた開発スコープ

それぞれについて具体的に説明に関しては、詳しくなりすぎて今回の記事の趣旨から少し離れてしまうので今回は割愛させてもらいますが、特定のプロダクトに関して細かく要求を決めておくことはチーム全体で一つのプロダクトに関する情報を共有する上で欠かせません。

また、このPRDの書き方に関してですが、フォーマット等に決まりはなく、定める要求に関しても会社や組織によってまちまちです。使うツールもなんでもよくて、例えば紙に書いてもいいですしGoogle Docsのようなクラウド上で共有できるものを使っても良いと思います。ちなみに僕は個人的にはNotionをよく使っています。

PRDを書く上で重要なのは、プロダクトに関するビジネス価値やUX・UIデザイン等の細い取り決めをあらかじめ定義しておくことだということを心に留めていてください。

PRDとは日本語では「プロダクト要求仕様書」と呼ばれているようです。僕もこの記事を書くまで日本語で調べたことがなかったので、実際にこの言葉が日本で使われているのかは分かりませんが、ここではそれが何かということが大切なのでなんと呼ぶかはあまり気にしないでください。

プロジェクトに関わる全ての利害関係者にプロダクトのビジョンを伝え、合意を得る

プロダクトのビジョンを定義しPRDに落とし込んだら、次はそれをプロダクトライフサイクルに関わるチームのリーダーにシェアし合意を得る必要があります。

このステップは実際にエンジニアがプロダクトを開発するために手を動かし出す前の最終段階になります。やることは単純でプロジェクトに関わっている利害関係者(ステイクホルダー)にPRDをシェアして質問等がないかを確認して、利害関係者の全員が一つのプロダクトの詳細に関して共通の理解をしていることを確かめます。

ここでいう利害関係者が誰なのかはプロダクトやプロジェクトによって大きく異なってきますが、多くの場合はまず初めにプロダクトマネジャー、開発を担当するエンジニアリングチームのリーダー、カスタマーサクセスチームのリーダで構成される社内ステイクホルダーで話し合い、そこで合意を得た後にそのメンバーの中に実際にプロダクトを売る相手であるクライアント加えたメンバーで話し合いを行います。

「ステークホルダー」とは、英語の「stakeholder」から由来する言葉で、「利害関係者」という意味があります。ビジネスシーンで用いられる場合、企業組織における利害関係者すべてを指す言葉になります。その対象は株主、経営者、従業員、顧客、取引先も含まれ、非常に広範囲に及びます。(引用:Robert Walters)

プロダクト実装へのプロダクトロードマップを作成する

PRDを作成・シェアしたら、いよいよエンジニアチームが作業を始めます。しかしながら、PRDをがあるからといって、「じゃあ、PRDにプロダクトに関しては全部書いてあるからよろしく!」とエンジニアチームに伝えるだけで、プロダクトが完成するかと言われるとそんなことはありません。期限を守ってプロダクトを成果物としてクライアントに届けるためには、「いつまでにどのような機能を実装して、いつ最終的なプロダクトをテストし提出するか」を明確に示すタイムラインが必要です。このプロダクトを実際に開発しクライアントに届けるまでのタイムラインのことを”プロダクトロードマップ”と呼びます。そして、このプロダクトロードマップを作るのがプロダクトマネジャーの仕事です。

product roadmap example jira
Jiraで作成したプロダクトロードマップの例

プロダクトマネジャーがプロダクトロードマップを作る上で考慮しなければならないことはたくさんありますが、一番は優先順位を明確に決めることです。プロダクトロードマップ上には常に複数のプロダクトへのタイムラインがあり、それぞれに対して異なるクライアントと期限が存在します。それらをすべて満たしつつ、ユーザーに価値を提供するプロダクトを高いレベルで創り出し届けることにプロダクトマネジャーは責任を追っているのです。

こういった複数のプロダクトに対しての優先順位をつけることや期限に気を使ってプロダクトロードマップ全体を管理すると行った業務は主にプロダクトマネジャーの中でもシニアポジションの人が行います。個々のプロダクトマネジャーは個々のプロダクトのタイムラインを作成し、シニアポジションの人がロードマップ全体を管理するのを手伝います。

ここまで紹介してきたプロダクトマネジャーの仕事は他のチームや社内外のステークホルダーとコミュニケーションを取ることがメインでしたが、プロダクトロードマップの作成では実際に手を動かしさまざまなツールを利用します。本投稿では具体的なプロダクトロードマップの作成方法や作成する上での注意点等は割愛しますが、多くの会社でAtlassianという会社が提供しているJiraというツールが使われています。また、Asanaや最近ではNotion等のアプリケーションを使うプロダクトマネジャーもいるようです。

僕の働く会社でも、Jiraを使っていますね。多くの会社に使われているからうちでも使うという会社も多いですが、UX/UIが非常に悪いと言われてるのも事実です(笑)。実際、プロダクトマネジャーの求人広告に条件として「Jiraに精通していること」といった記述があることもあります。

エンジニアのタスクを管理し、プロダクトがクライアントに届くのを見届ける

さて、多くの場合(特に大きな会社では)、プロダクトマネジャーの仕事は基本的にこのプロダクトロードマップを作るまでで終わりなのですが、場合によっては実際にプロダクトロードマップ通りにプロダクトがクライアントに届くようにエンジニアチームのタスクの進捗状況を管理しコーチする作業をこなす場合もあります。このエンジニアチームのコーチングは規模が大きく成熟したチームではスクラムマネジャーという別の役職の人が担当するのが一般的です。ただ、スタートアップなどチームが小さく成熟しきっていない場合には多くの場合でプロダクトマネジャーとエンジニアチームのテックリードが協力してこの役割を担当します。

僕が働いているスタートアップでも、プロダクトマネジャーが主にこのスクラムマネジャーの役割を担当しています!

とはいえ、「エンジニアも立派な大人だし、日々のタスクの管理なんてしなくてもいいんじゃないの?」と思う人も多いと思います。僕も実際にプロダクトマネジャーとして働き始めるまではそう思ってました。ただ、実際に働いてみるとわかったのですが、エンジニアの人たちは完璧主義者に近い人が多く常に完璧に近く最適な方法でプログラムしてプロダクトを創ろうという意識があるのですが、多くの場合そういった方法を取ると期限を満たせなくなります。その中でエンジニアと譲歩しながら落とし所を見つけてエンジニアプロダクトが時間どおりにクライアントに届くようにエンジニアたちをコーチすることはとても大切な仕事です。

プロダクトマネジメント業界ではよく、「プロダクトマネジャーやスクラムマネジャーはエンジニアたちのベイビーシッターだ」というジョークがネタとして存在しますが、多くのプロダクト・スクラムマネジャーが「実際私達はエンジニアのベイビーシッターだよね」と思わず漏らしてしまうほどいいえて妙です。

では、プロダクトマネジャーがどうやって日々のエンジニアのタスクの進捗状況をチェックするかというと、かんばん(Kanban)やスクラムボードといった可視化ツールを使います。

Jiraが提供するスクラムボードの例

ここでは具体的なツールやそれらの使い方等は割愛しますが、プロダクトロードマップと同じでJiraやAsana、Notionといったツールを使っている人が多いです。

ここまででプロダクトマネジャーとはなにか、どんなことをしているのかはかなり詳しくおわかりいただけたかと思います。プロダクトマネジャーに興味を持っていただけたら、嬉しいです。

次の項ではプロダクトマネジャーになるにはどんなスキルが必要なのかまた、どんなスキルを持っている人がプロダクトマネジャーに向いているのかといったことについて話してきます!

プロダクトマネジャーに必要とされるスキル

それでは早速プロダクトマネジャーに必要なスキルについてみていきましょう!

ここでは「プロダクトマネジャーの仕事をする上でベースとなる個人の習慣や特性的なソフトスキル」と「仕事をこなす上で必要となるツールの使い方などの実用的なスキルであるテクニカルスキル」に分けて紹介します。

プロダクトマネジャーに必要とされるソフトスキル

  • 問題解決的思考力と戦略的ビジネス思考力
  • タイムマネジメント力と優先順位をつける力
  • 高いレベルでのコミュニケーションスキルと交渉術

現代のプロダクトマネジメントの考え方はアジャイル開発に基づいているために、プロダクトマネジャーに必要とされるソフトスキルはアジャイル開発に必要とされるソフトスキルと非常に似通っています。

問題解決的思考力と戦略的ビジネス思考力

問題解決的思考力とは仕事でなにかに取り組んでいるときに、常にどんな問題に取り組んでいてそれを解決することにどんな意義があるのかといった明確な理由と目標を持ち続けるマインドセットのことで、先にお話したようにプロダクトマネジャーが自分たちが創るプロダクトがどんな問題をどのように解決するのかを深く理解しチームに伝播するうえでこの思考力は大切です。

また、プロダクトマネジメントで計画を立てるときには、多くの場合数ヶ月からながければ数年単位での先を見越した計画をたてる必要があります。こういったときに数年先に会社やチームがどこにいてプロダクトがその頃にどういうふうに進化しているのかといったことに対して具体的なビジョンを見る必要があります。このような思考のことを戦略的ビジネス思考力です。

タイムマネジメント力と優先順位をつける力

これらの能力に関してはプロダクトマネジメントに限った話ではなく、一般的にもビジネスマンとして大切だと思いますが、プロダクトマネジメントはとくに重要な能力になってきます。

みなさんが普段の生活でタイムマネジメントややらなければならないことに正しく優先順位をつけることに失敗しても「今日もまた、だらだらとした生活を送ってしまった」くらいのことしか起きないでしょう。しかし、プロダクトマネジメントでこういったことに失敗すると、「クライアントと合意した期限に間に合わせてプロダクトを届けることができずに数億円の単位で会社に損失が出た」なんてことになりえません。プロダクトロードマップを作成し、エンジニアのタスクを管理するときにこういったスキルは必要不可欠になってきます。

完全に個人的にな経験からの話なのですが、これらのスキルに関しては男性より女性の方が圧倒的に優れているように思います。みなさんの周りの方々はどうですかね。

高いレベルでのコミュニケーションスキルと交渉術

ここまででお話したようにプロダクトマネジャーの仕事の多くはプロジェクトベースでのステークホルダーとエンジニアチームとのコミュニケーションです。実際にプロダクトマネジャーは様々な仕事がある中で常に40%くらいの時間をコミュニケーションに費やしていると言われていますし、多くのプロダクトマネジャーは40%以上コミュニケーションに費やしているよ!という人も多いです。

最初にプロダクトマネジメントについて話したときに図で解説したようにプロダクトマネジメントは様々なチームの中心になってそれぞれの言い分や意見を聞いて、全ての決定にステークホルダー全員を納得させていかなければなりません。これを達成するためには高いリーダーシップとそれを可能にするコミュニケーションスキルが必要です。特に、一つの決定にステークホルダー全員を導き合意させるための交渉術は欠かせません。

また、多くのチームの板挟みになるというプロダクトマネジメントの性質上、全体としての決定に完全に納得しないチームや個人がいたときには、他のチームに不満を言われるようなことも多いです。そんなときになぜその結論に至ったのかまた至らざるを得なかったのかを説明することや、場合によってはある程度受け流す必要も出てきます。こういったことはプロダクトマネジャーとして極力ストレスを少なく、また他のチームのストレスを和らげチームとしての団結と調和を保つ上でも非常に大切です。

プロダクトマネジャーに必要とされるテクニカルスキル

  • カスタマー中心のプロダクトづくりに対する深い理解と知識
  • マーケット・カスタマーリサーチスキルとデータアナリティクススキル
  • UX/UIデザインに関する基本的な知識
  • テクノロジーやプログラミングに関する知識または経験(あると良い)
  • Jiraなどのツールを駆使し、プロダクトロードマップを作成する能力(あると良い)

プロダクトマネジャーとしてのテクニカルスキルに関しましてはプロダクトマネジャーとして働きだしてから身につけることも多いですが、プロダクトマネジャーになりたいと考えている人にとっては(転職の場合は特に)予め備えておくと、実際仕事を獲得する上で非常に有効です。特に最初に挙げる3つは基本的なレベルでは獲得しておきたいスキルです。

カスタマー中心のプロダクトづくりに対する深い理解と知識

最初の方にもお話しましたが、プロダクトマネジャーは「プロダクトのCEO」であり「プロダクトのブランドマン」です。そしてプロダクトの存在意義とは「そこに問題を抱えているユーザーがいて、その問題を解決する手段としてプロダクトが必要とされていること」です。

そのプロダクトを使ったユーザーのことを常に第一に考え、ときにはクライアントやビジネスチームが厳しい期限を提示してとしても、もしその期限内でユーザーに価値を届けるプロダクトを開発できないのであれば、期限を伸ばす交渉をしなければなりません。また、プロダクトデザイナーにPRDを通してどのようなプロダクトを創り出すかを伝えるときやエンジニアにプロダクトの実装を任せるときも、そのプロダクトを創ることでユーザーにどんな価値を与えられるかを伝えなければなりません。これを可能にするのはカスタマー中心のプロダクトづくりなのです。

「プロダクトマネジャーのカスタマー中心のプロダクトづくりへの理解がかけていてはそのプロダクト開発事態がすでに意味のないものなる」というほど。この考え方を深く理解し実践することは大切です。

なぜ、このスキルがソフトスキルではなくテクニカルスキルかというと、このスキルはもともと持ち合わせるものではなく自ら進んで学ぶことだからです。このスキルについて深く学びたい人はUser-Centered Design等を勉強してみると良いでしょう。

User-Centered Designなどの概念に関しては日本語ではなかなか良い学習リソースがないので、英語ができる人は英語で直接学習することを強くお勧めします。
近々、僕の方でもユーザー中心のプロダクトづくりに関してはわかりやすく日本語でまとめた記事を出す予定です。

マーケット・カスタマーリサーチスキルとデータアナリティクススキル

マーケットやカスタマー、ユーザーまたはそのインダストリー自体に対する洞察を深めることはプロダクトマネジャーとしてプロダクトのビジョンを形成するうえで役に立ちます。

プロダクトに関して深い洞察を得るためには、常にアンテナを貼り関連する情報を手に入れることが大切です。また、ときにはユーザーをより理解するためにインタビューやアンケート調査を行ったり、カスタマーがプロダクトに関してどういった感情を抱いているのかを図るためにカスタマーフィードバックを集めたりNPS(ネットプロモータースコア)を計算したりする必要があります。

今挙げたようなリサーチを行い、そこで得たデータを分析するためにも基本的なマーケットリサーチやデータアナリティクスに関するスキルを身に着けて置くと良いでしょう。

UX/UIデザインに関する基本的な知識

PRDを作成する上で、プロダクトのデザインを考えるときに、プロダクトデザイナーとかなり密に協力することになります。最終的にデザインを担当するのはプロダクトデザイナーですが、彼らと話をする上でUX/UIデザインに関する知識をもっていうことはかなり役に立ちます。特にユーザーエクスペリエンス(UX)に関しては先程話したユーザー中心のプロダクトづくりにも密接に関係していて、プロダクトマネジメントに関わるすべての人が持っておくべき知識友言えます。

残りの2つのスキルに関してはあったら役に立つ程度なのでここでは書斎hあ割愛させていただきますが、プログラミング等に関する知識を持っているとエンジニアとのコミュニケーションが円滑になります。
Jira等のツールの使い方に関しましては働きだしてから覚えることがほとんどなので、よくわからなくても気にする必要はありません。

プロダクトマネジャーの給料

さて、みなさんお待ちかねのお金の話をしましょう🤑

プロダクトマネジャーの年収について様々なサイトで調べてみたところ、サイトによってもまちまちでしたが大体アメリカ国内で$75,000 ~ $100,000(日本円で1100万円〜1450万円|1ドル=145円)のようです。僕の経験や僕の知り合いのプロダクトマネジャーの話を聞いた感じ、大体こんな感じで合ってると思います

ただ、これはアメリカでのデータで一般的にもアメリカのほうが日本よりも給料はかなり高いので日本でのプロダクトマネジャーの給料に関しても調べてみました。

日本でのプロダクトマネジャーの平均年収は約700万円です。

とはいえ、会社によってかなり差はあるようで、僕がさらにもう少し詳しく調べてみたところ、どうやら上場しているような大きな会社でのプロダクトマネジャーの給料は約1000万円程度で、エンジニアやデータアナリスト等の人気の職業に引けを取らない値となっています。

プロダクトマネジャーは年々その重要性がさらに認知されてきて、需要が爆発していると言われる役職なのでこれからも給料は上がっていくといった予想が多くの就活系のサイトでされているので給料に関しては申し分はないのでしょうか。

プロダクトマネジャーはその仕事のほとんどがプラニングなので、残業等はほとんどない職業だと思います。そういった意味では、期限に追われがちで残業が多くなりがちなエンジニアなどの役職とさほど変わらない給料をもらえるのは魅力的だと個人的には思います。

まとめ

それでは、最後にこれまではなしたことを完結にまとめて終わりましょう!

本記事のまとめ

  • プロダクトマネジャーとはプロダクトに関わるすべてのステークホルダーやチームと密接に協力しながら、プロダクト開発のサイクルを最初から最後まで管理する役職
  • プロダクトマネジャーには「高いレベルでのコミュニケーション能力や交渉力等」のソフトスキルと、「ユーザー中心のプロダクトづくりに関する深い知識やUX・UIデザインの知識等のテクニカルスキル」が必要
  • プロダクトマネジャーの年収は
    • アメリカでは$75,000 ~ $100,000(日本円で1100万円〜1450万円|1ドル=145円)
    • 日本では平均約700万円で大企業では約1000万円

ここまで、この記事を読んでくださり本当にありがとうございます!

この記事を読んでみなさんがプロダクトマネジャーがどんな仕事でどんなことをしているのかといったことや必要なスキルに関してかなり詳しくわかっていただけたと思います。プロダクトマネジャーはいつもビジネスチームやエンジニアチーム、社外のクライアントなどの多方面の異なるチームに板挟みになって大変なことも多いですが、非常にやりがいのある仕事です。この記事を通してプロダクトマネジメントやプロダクトマネジャーに興味を持っていただけたら嬉しいです😊

これからもプロダクトマネジメントや働き方に関する記事をどんどん書いていくので、よろしくおねがいします!

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