THE TOMA LETTER
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毎週土曜の朝配信の少し尖ったニュースレター
複雑な時代をシンプルに生きるための、視点と選択肢を届けます。
人脈を作り出すための力。
生きていく中で誰もが必要とする重要なスキルでもあり、
多くの人が誤解しているスキル、ネットワーキング。
イベントに出かけて、ペコペコ挨拶して、ビジネスカードを渡した後に当たり障りのない雑談をして帰り際にLinkedInを交換して後からその人の経歴をチェックする。形式的なビジネス上でのタクティクス。
心理的なテクニックを悪用して、人を操って自分に利益をもたらす打算的な行為。
陽キャが持って生まれてくる特殊能力。
どれも間違ってる。
ネットワーキングをビジネス上のコネだとしかとらえていない人のアプローチは打算的ですぐに見抜かれるし、こう言った人はうざがられて相手にされないのがおち。まだビジネスに特化して目的が明確なAIとの会話の方がマシかもしれない。
ネットワーキングなんか実力のないやつがやること。変化が早く、AIによって誰もがスキル習得への難易度が落ちた今の時代、爆速でスキルと実績身につけてぶち抜けるのがベスト。
これも間違ってる。
どれだけ優秀なスキルを持っている超人でも、ネットワークやつながりがないとそのスキルを活かす場を見つけられない。
今や世界的に有名なゴッホの絵だって、彼が生きていた頃は一目につくことすらなかった。彼が生きていた頃に人気だった絵は今となっては名前を聞いたこともない画家によって描かれたものだった。
当時、人気な画家にあってゴッホになかったものはスキルじゃない。パトロンやギャラリーのオーナーなど彼らをサポートしてくれるネットワーク。
今も同じで、どれだけスキルのあるエンジニアだってリクルータの知り合いや他社で働く友達と言ったネットワークがないと仕事は見つからない。
とんでもない勢いで成り上がる起業家たちだって、バックグラウンドストーリーを聞いてみるとネットワークに支えられていることがほとんど。
ネットワーキングの本質は人と人との繋がりを作り出し、それを広げていくこと。
特定のビジネスシーンだけに収まらない、より根源的な人間同士の関わり方。
AIによってテクノロジーの進化が加速しようが、仕事の多くが自動化されようが、その重要性は変わらない。
ネットワーキング力はこれからも人生をより豊かに、楽しくするために欠かせない。
そして、これは何も”陽キャ”だけが生まれ持った能力ではない。誰でも、一つのスキルとして身につけることができる。
「ネットワーキングが重要なのはわかりました。そこでネットワークするときに、人と話すときに具体的なテクニックなどはありますか?」
ニュースレターやXを通してアメリカでの現地就職をはじめキャリアや自己成長について話していく中で、最も聞かれる質問がこれ。
「なんで、お前は誰とでも仲がいいのか?知り合いしかいないじゃん」
「どうやったらそんなに人と話続けられるのか」
オフラインでも友達によくこんなことを言われる。
実際、もともと人と話すのは好きだったし会話は得意な方だったが、アメリカで大学に来てから就活を始めることで自分とはレベルの違う人とばかり会うようになったときはそれまでの「友達との会話」だけでは通じない部分も多かった。それでも、実際に自分とは異なるレベル、文化、背景の人を相手にしていく中で効果的なネットワーキング方法を身につけていった。
こう言った質問に対して、「こうするんだよ」と一言二言で伝えるのは不可能だが、ネットワーキングのようなソフトスキルだって細かく分解していけば一つずつ実践を通して学んでいけるスキルになる。
そんなわけで今回のレターでは「ネットワーキング力」について、僕なりにできる限り包括的にまとめたフレームワークを通して深掘りしていく。
3M:ネットワーキングに必要な3本の柱
- The Networking Mindset(マインドセット):ネットワーキングに対する根本的な考え方
- The Networking Mechanics(メカニクス):コミュニケーション技術などの実践的なネットワーク法
- The Networking Management(マネジメント):人間関係を管理のためのシステム
ネットワーキング力を解剖すると、大きくこの3つの柱に分解できる。
この3つの柱それぞれについて理解して、積み上げていけばその上に『本当に意味のある、頼れるコネクション』が自ずと形成されてくる。
それでは早速それぞれについて見ていく。
The Networking Mindset:マインドセット
多くの人がネットワーキングを始める前に失敗してる。
というのもネットワーキングに対して、間違ったマインドセットを持っている人が多すぎる。
- ネットワーキングは利害目的で打算的
- ネットワーキングは陽キャにしか無理
- ネットワーキングは普段の生活とはかけ離れたビジネス取引
実際によく見かける誤解。
人と関わる上で利害ばかり気にする人は本当の意味での繋がりを持てないし、こう言った人たちは「似たような人」たちを惹きつける。大体こう言った人たちは彼ら同士で徒党を組みやすく、同調ばかりの薄っぺらい集団が出来上がる。
わかりやすいようによく使われる「陽キャ」と言った言葉を使ったが、そもそも意味のある人間関係を作れる人は陽キャ陰キャなんか気にしないし、そもそもあらゆるスキルや能力を後天的に獲得できるものだと思って日々磨きをかけるグロースマインドセットを持っている。
地元のランニングクラブやフラワーアレンジメントクラブでの友達がいてそこにしかないつながりがあって、そこでしか聞けない情報があるようにネットワーキングはビジネス特有のものではない。
もちろん、シーンによってアプローチは異なるが、根本的なネットワーキング力はビジネスでもそれ以外のシーンでも役にたつ。
こういった誤ったマインドセットを矯正するためにはいくつかの根本的なマインドシフトが必要。
利害を捨てて、興味と好奇心を持つ
人と繋がる時にいちいち利害を考えない。これはもう大前提だが、より本質的には人と繋がる時には「その人に対して興味と好奇心を本心からもつ」。
これができさえすれば、短期的で、打算的な、通用しないネットワーキングを避けることはできる。
じゃあ、人と繋がる時に何か相手から得ようとするのは間違いなのか?
違う。
ビジネスの場面では特にリファーラルなど最終的には何か相手から得たいものがあって始まるネットワークがほとんどだし、これにはなんの問題もない。問題なのはアプローチとして、その人から求めてるものを直接もらおうとする、そのマインドセット。
仮に相手から引き出したいものがあってそれがネットワークのきっかけだったとしても、その目的以前にその目的に関連してでもいいからその特定の人に対する興味や関心といったものを持って接する方が結果としてネットワークがうまくいく。
そして、逆にとりわけ明確な目的がなかったとしても特定の人の特定のスキルや経験または人となりについて興味や好奇心を覚えた時にはそれを無駄にせずに話しかけてしまうといい。
”ネットワーキング”というと構える人は多いが、要は友達作りに近い。小学校の時に友達を作る時に、いちいちメリットなんか考えてなかったはず。
ただその子やその子がしている遊びや話しているトピックに興味があるから友達になった。それくらいのはず。
大人になったとて、感覚的にはそれくらいの感覚で友達を作るといい。
ネットワーキングに過度にビビらない
ネットワーキングするときは自分より年齢も経験も上の人を相手にする人が多く、相手に権威性を感じ、萎縮してしまう人は多い。
これは自然のことだが、ビビってネットワークをしないのはもちろんのこと、萎縮から自分のコミュニケーションが弱くなってしまったらそれもかなり勿体無い。
自分より上に感じる人と会う時には
- 相手も自分と同じ立場だったことがある
- 相手も忙しいし、自分のことなんかそこまで気に留めてない
この辺りの考え方を意識するとだいぶ楽になる。
とはいえ、「ビビる」の根本的な理由は自信の無さ。そして、自信の無さはスキルや経験の不足からくる。
スキルと経験のなさは実践で補える。
ということで、ここからはより実践的なネットワーキングのメカニクスについて見ていく。
The Networking Mechanics:メカニクス
ネットワークに使える実践的なスキルは多岐にわたるが、最も効果的なネットワーキングには一定の順序がある。
まず土台となるのが「価値を提供する」という姿勢と「独自の視点」。
そして、それを効果的に伝えるための「会話力」。この3つの要素が揃うことで、真に効果的なネットワーキングが可能になる。
1. まず、役に立て
Be useful. まず、そもそも役に立てるような人間になれということ。本当に意味があって”役に立つ”ネットワークを作るにはそもそも自分が何かで役に立てるようになることから始まる。
人間関係の話になると、よく「Giveの精神」なんて言葉を聞くが、なんでもいいからgiveするというのは浅い。
もう一つレイヤーを足して「人の役に立つ」。これができると、相手からも自分にとって役に立つような行動や知識が自然に出てくるようになる。
心理学的にいうと、「返報性の法則」なんていう。この手の心理学的な目線からの人間関係に興味があればRobert Cialdini著書の『Influence』という本を読んでみるといい。
「相手の役に立て」と聞くと、相手が欲しがっている知識やスキルを自分が身につけないといけないと思う人がいるかも知れないが、これは間違い。
あくまで”理想の自分”を目指す上で必要なスキルを身につけてそれに磨きをかけておけばいい。
そして、何も役に立つスキルというのはビジネスや業界に限った話ではない。
基本的に「健康・金融資産・人間関係」といった「幸福」に直接関わるような領域でのスキルや情報、知識は価値が高く誰の役にも立つ。
もちろん、プログラミングやAIスキルなどビジネスやお金に直接繋がるスキルを高いレベルで持つことの価値は高いし、AI時代には特にこれまで以上に高いレベルの技術や経験を追求して自分を高め続けることが重要なのはいうまではない。
が、実はビジネス以外にも、健康や美容や人間関係周りのスキルは需要が高い。
筋トレの仕方や体の管理なんかはかなりジェネラルに重宝されるスキルの一つ。
自分の経験でも業界や年齢、シチュエーション関係なく、新しく人に会うときに一番言われるのは
「You are fit! What do you eat and how do you work out?(お前いい体格してるけど、何やってるの?)」
だったりする。
自分が恋愛関係で困っていた時に相談して元気づけてくれたり、自分が先を見て歩き出すきっかけになるような言葉やアドバイスをくれた人には特別感謝する、なんて経験は誰にでもあると思う。
といったように、とにかくなんでもいいから誰にでも役に立つスキルや情報を溜めて、自分が相手に役に立てる側面を増やしておくといい。
最後に一つ付け足す。
殊、ビジネスにおいては何か一つでいいから突き抜けて役に立てる分野を持っておくといい。
「AIを使っての爆速プロトタイプイングならこの人」のようにある特定の分野で尖っているとビジネスでは有利になることが多い。
「〇〇の人」になっておくと、知り合いの知り合いが「〇〇が得意な人」を探している、といったような時に間接的に自分のネットワーク以外のネットワークに簡単にアクセスできるきっかけになる。
ただ単に役に立つだけでは、似たようなスキルを持つ「便利な人」の一人になってしまう。本当に記憶に残り、長期的な関係を築けるのは役立つ上に「その人ならでは」の視点を持つ人だ。
2. 自分なりの視点と価値観をもて
話していて面白い、もっと話して見たいと思わせる人が共通して持ってるのが「自分なりの視点と価値観」。
ここでいってるのは人生単位の価値観でなく、トピック単位での視点と価値観。
誰かと会う時にその日その場所でその人にあう理由をしっかりと持つ。
話す内容に自分なりのロジックを持つ。
行動に自分なりの価値観と意味を持つ。
間違っていてもいい。その時の自分なりの考えを持っている人は相手の考えや視点にも興味を持てる。
仮にその時の自分の考えが間違っていても、なんの考えもなくただ相手が言ってることに頷いて媚びてるだけより100倍いい。
それに場合によっては、この自分なりの価値観をシェアすることは相手に価値を与えることにも繋がる。
例えば「海外就職」について他の人と話をするときに自分が思っても見なかった価値観や行動基準で行動している人がいるとして、その人にその人の考え方を聞いたことで自分の考え方や価値観が改まって良い方向に向かうならこれは立派な価値になる。
「面白い人になれ」と言われると難しく感じるかも知れないが、自分なりの視点や価値観を持って行動、発言している人はそれだけである程度面白い。
逆にいえばこれがない人はクソつまらなくて話しても記憶に残らないことがほとんど。
自分なりの確固たる考えや視点は自信にも繋がる。自分の言っていることに自信を持っている人の言っていることに人は耳を傾ける。
ここまでは相手に対して自分が価値と魅力のある存在になるための要素について話したが、これがあったとって相手と会話をスムーズに進められないと「知り合い」から「友達・仲間」にはなれない。
3. 相手について学べ ー 会話力を上げる最も簡単な方法
コミュニケーションに自信がない。人との話が続かない。何を話していいかわからない。
こういった人に簡単にコミュニケーション能力を上げる方法を一つ、教えるとしたらこれ。
話す前に相手について調べる。
話してる最中に相手について質問する。
質問の答えを深掘りする。
この3つができるだけで話は無限に続けられる。
話を苦手だと思っている人は自分から話を始める、そしてつなげる。これが苦手なだけ。
そんな人は相手についてあらかじめて調べたことについて尋ねて深掘りするか、次の質問に移るか、これを繰り返せば自分から新しくトピックを生み出す必要がない。それに大体質問から始めれば相手も同じか似たような質問を返してくる。
この時にさっき触れた自分なりの考えや価値観を自信を持って話せばそれだけでかなり質の高い会話が完成する。
特に重要なのは相手について調べることで、
- 相手の過去:経歴や達成したこと、人生の分岐点など
- 相手の現在:今最も力を入れていること。また個人的に興味を持ったこと
これらを重点的に調べておく。
特に初めての人と会う時には会う前に15分でいいから相手について調べる。
この15分のリサーチだけで相手に対する印象も、会話の質も大きな差が出る。
まずはLinkedInかホームページを見て、他にも情報がネットに落ちていそうな人ならAIウェブをサーチさせれば15分でもかなりの情報を集めることができる。
会話をリードできるだけでなく、自分のことについて調べてもらったことを知ると相手も「自分に興味を持ってくれてるんだな」と感じるし、時間の節約にもなるので会話の効率も上がる。
「価値を提供する」という姿勢と「独自の視点」。そして、それを効果的に伝えるための「会話力」。
この3つが効果的なネットワーキングに必要なコア要素だが、実はこれらに加えて身につけることでネットワーキングのレベルをさらに上げる要素が2つある。
それが「オーガニックネットワーキング」と「見た目への気遣い」
『オーガニックネットワーキング』:レバレッジをかけて自分の存在を拡散する
イベントに出かけて人と実際にあったり、LinkedIn経由でDMして能動的にコネクションを広げるのは『アクティブネットワーキング』
逆に何もせずとも向こうが自分の存在を知ってくれていてつながりが広がっていくのが『オーガニックネットワーキング』
オーガニックネットワーキングには2通りのパターンがある。
- 知り合いの紹介
- SNSでの発信によって勝手に不特定多数の人が自分を認知する
知り合いの紹介に関して言えば、さっき話た3つの要素をマスターして良好なコネクションを築くことができれば知り合いが知り合いに自分の存在を勝手に拡散してくれるようになるので特に追加でやるべきことはない。
コア要素の3つにさらに追加でスキルとして身につけないといけないのがSNSを通しての発信。
直接会って話すのにも、DMで繋がるのも、知り合いの紹介で繋がりを拡大することもどれも有効なネットワーキングだが、どうしてもスケールしにくい。
一方、SNSで自分の存在を拡散することは不特定多数の相手に見られることが多いためスケールはしやすい。
こう言うと、もうすでに「インフルエンサーになんかなりたくない」や「SNSで発信はあまり積極的にしたくない」といった声がすでに聞こえてくるが、そこまでしなくたってSNSをうまく使えば必要で意味のある繋がりを拡大することはできる。
例えばLinkedInのアカウントを持っていないなら、作ってプロフィールを充実させた上で自分のポートフォリオのリンクをつけておく。
これだけでそれ以降投稿をしなかったとしても、新しく雇う人を探しているリクルータの目に留まるかもしれない。
もちろん、自分が属している領域や分野に関して特化した投稿をLinkedInやXで投稿するのは自分の存在を知ってもらうだけでなく、対面だとつながれなかった人たちと繋がる確率が格段に上がるといった点で最もレバレッジは高い。
ただ、そこまでしたくなければそこまでしなくでもいい。自分のできる範囲でインターネットに自分が届けたい情報を置いておくだけでも何もしないよりはマシ。
見た目に気を使え
これもネットワーキングをブーストする一つの要素。
よくいう清潔感というやつだが、細かく分解すれば
- シャワーを浴びる
- 眉や髭を剃って整える
- 場にあった服をきておく
正直言って僕自身あまり外見に気を遣うタイプではないし、基本洋服もUniqloのズボンとTシャツ。
実際別に特別オシャレする必要もないが、せっかく話し方や考え方等を磨いても見た目や匂いでネガティブな印象を残すのは勿体無いので最低限は意識するようにした方がいい。
そんな中でも見た目に関して一つ間違いなくやった方がいいと言えるのは筋トレ。
先に軽く話したように相手に価値を与えれる会話の種になるのもそうだが、「筋トレをしている」というだけで “この人は自己管理がある程度できている人” といった印象を与えることができる。
それに筋トレしてれば適当に選んだTシャツを着ているだけでもなんとなく様になる。
(少なくとも僕はそう信じています笑)
見た目からコミュニケーションスキル、自分の価値提供まで、ここまで様々なネットワーキングのメカニクスについて見てきた。これらのテクニックを駆使すれば、人との繋がりを作って頼りになるネットワークを作ることはできる。
ただ、ネットワークは一度作ってしまったら放置するものでなく、自分の成長や環境の変化に合わせて変わっていく動的なもの。
次にネットワーキング力としての最後の柱であるマネジメント、つまりネットワークの管理について話す。
The Networking Management:マネジメント力
ネットワーキングにおいて管理というとフォローアップや新年の挨拶など、繋がりを繋ぎ止める、また大切にするといったことを考える人は多い。
もちろん、できたネットワークや繋がりは大切にすべき。
でも、それ以上に「ネットワークを新鮮により良いものに拡大させていくか」にフォーカスした方がいい。
自分が常に成長していく中で、ネットワークも一緒により高いレベルへ拡大していく。
そして、その進化したネットワークが自分の成長を助ける。
これが理想のネットワーキングがもたらす相乗効果。
そして、この理想の状態を保つために必要な管理が以下の3つ。
- 今より高いレベルにネットワーキングの範囲を広げる
- 今いるネットワークの成長を促す
- 成長を妨げるものをネットワークから排除する
成長や進化にとって最も危険なのが「ぬるま湯に浸かって慢心する」こと。
これを避ける簡単な方法があえてコンフォートゾーンから抜け出して、次のレベルを体感することで今の現状に危機感を覚えさせ向上心を煽ること。
これは今の自分より上のレベルにいる人たちのネットワークに足を踏み入れることで達成できる。注意しないといけないのが、一つ上の景色を見せてもらえたとしても、そこに自分がいると錯覚しないこと。
あくまで自分はネットワークによってその景色を見せてもらっていることを自覚して、今の自分がそこに属すには何が必要かといった成長のきっかけにすることが重要。
そして、同じくらい重要なのが次のレベルを目指す仲間をコミュニティ内で作ること。上のレベルにいるメンターは先からアドバイスをくれるかも知れないが、同じレベルでリアルタイムで成長していく仲間がいるかどうかで上のレベルを目指す旅の面白さや快適さは左右される。熱量の高く目指す先が同じ人を探す、または作るのはこう言った点で欠かせない。
最後に最も重要になってくるのが、成長を妨げる人を切っていくこと。
自分が次のレベルに行こうとすると必ず足を引っ張ろうとする奴が出てくる。
”意識高い系”なんて冷やかしてきたり、表面的な情報だけで非難してきたり、また攻撃的でなくてもぬるま湯に引き止めてこようとする人はいる。
こういう人は切る以外にやることはないので切ってしまう。これだけ。
ただ、ここでいう『切る』を一切の縁を切ると言った意味で捉えないでほしい。
ここでいう切るというのは積極的にリソースを割くのをやめるということ。
別にキャリアや人生的な目標において同じレベルに到達したいと思っていないからといって友達をやめろと言ってるわけじゃない。
逆にこう言った友達こそ年末年始などふとした息抜きに気を許せる大事な友達だったりする。
社会人になってから普段は全然絡まないけど、久しぶりに地元に帰った時に中学生の同級生と会うとホッとする。こんなシーンを思い浮かべるとわかりやすいと思う。
要は普段連絡したり、一緒に作業をしたり、学んだりとアクティブにリソースを割くネットワークの範囲を定期的に見直して管理し、そして確実にネットワークのレベルを上げていくことは自分の成長をする上で重要であり、これがネットワーキング力をつける上では欠かせないということ。
さて、ここまでで3Mフレームワークを通してネットワーキング力を深掘りしてきた。
この3つの要素(Mindset, Mechanics, Management)を意識しながら積み上げていくことで、誰でもネットワーキング力を鍛えて本当の意味で自分を押し上げてくれるネットワークを作れるはず。
ネットワーキングが重要ということはわかっていてもなかなか始められない。どこから始めていいかわからないという人は多い。
理由としてはプログラミングなどのハードスキルと違って明確なステップが与えられないことに加えて、会社で受動的に与えられる仕事で身に付くようなスキルと違って、必ず自分から能動的に動いて獲得、洗練していかないといけないスキルだからだと思っている。
なので、今回のレターではこのネットワーキングというソフトスキルをできるだけわかりやすく言語化し、ただイベントに出かけたり、DMしたりすると言ったありきたりなアドバイスよりさらに深く掘り下げたメカニクスも紹介するようにした。
このレターをきっかけに少しでもネットワーキングに対しての考えやアプローチが変わる人が増えればいいと思います。
以上!また来週!
Toma