AI時代に最も過小評価されている”最強のスキル”

THE TOMA LETTER

まだ登録してない方へ

毎週土曜の朝配信の少し尖ったニュースレター
複雑な時代をシンプルに生きるための、視点と選択肢を届けます。

AIが”ほぼ”なんでもできる時代になった。

コードも書くし、データの分析も、プロダクトのプロトタイプもAIがやる。

「AI時代に必要なスキルは何か」

こんな議論がいたるところで巻き起こっている。

「AIを扱うプログラマになればいい」

「いや、配管工になるのがいい」

なんて、いろんな意見がある。

このての議論をみていつも思う。

「みんなハードスキルやAIの話してるけど、AIとか関係ない、もっと根源的な部分で磨かなきゃいけないスキルがあるよな」

と。

それが人間関係に関するスキル。

実際、人間関係に困っている人はかなり多い。

学校、仕事、友達との飲み会やパーティと、どこでも耳にする悩みのトップは「人間関係」だ。

誰もが悩みを持っているのに、真剣に向き合う人は少ない。大体、「人見知り」を盾にして、“これは自分には備わってない能力だ” と逃げる。

「人間関係がうまくいかないのはなぜか」すら考えない人は多い。

人間関係と聞くと曖昧に感じるが、少し掘り下げると根本原因が見えてくる。

人間は動物の中でも言語という稀有だが効率的なコミュニケーションの方法を身につけてきた。

人間関係を構築するのも、育むのも、また破壊するのもコミュニケーション。そして、このコミュニケーションを何で行うかというと言語であり、口語。

つまり、人間が「話す」という行為を通して人間関係を築いていく以上、人間関係の問題を解消したいなら、「話す力」を身につけるのが最も直接的で効果的になる。

では、なぜ多くの人がこのスキルを磨こうとしないのか?

大人になると「話す力をつけろ」と言ってくれる人はいない。社会もその重要性を強調しない。

むしろ、「話す力」は義務教育までに勝手に身につくものだと刷り込まれる。

高校まではクラスという枠組みの中で人間関係が半強制される。

馴染まないと損をするから、生存本能で「話す力」をある程度身につける。

しかし、ライフステージが上がるにつれ「話す力」は静的スキルだと勘違いし、まだマスターには程遠いのに磨くのをやめる。

ただ、現実的に社会で必要とされるのは10代がクラスで生き残るための”最低限の話す力”ではない。

この「話す力」について、多くの人が気づかない視点をシェアする。

全てを支えるベースレイヤーとしての「話す力」

話す力は、人生すべてのドメインを支えるベーススキル。

社会人になり、何か問題が生じると多くの人はハードスキルを磨くことに走る。

資格を取ったり、プログラミングを身につけたり、言語ではなく証明としての英語を勉強したり。

もちろん、ハードスキルを磨くことはより良い仕事を手にしたり、自分で事業をするのに大切なことではあるが、じゃあ実際に成功している人がどんな人か思い出してほしい。

大学院に進む際の奨学金を勝ち取るための面接、

理想の会社での内定を取るための面接、

案件獲得のための営業の場面、

資金調達のためのピッチ、

こういった局面でうまくいく人たちは明確に他と自分を差別化する。

そして、この差別化の主な要因は的確に「自分を売り込んでいること」。

自分の売り込みはほとんどの場合、会話を通じて行われる。

いくら知識や技術といったハードスキルがあろうが、「話す力」がないとそれは伝わらない。

伝わらない知識に意味はない。

キャリアでも恋愛でも、人生のあらゆる領域を下支えしているのがコミュニケーション。

そして、そのコミュニケーションを極めるためのスキルが「話す力」だ。

「話す力」は他の専門的領域のスキルに比べても、取得した時のROIがはるかに高い。

ほぼすべての仕事や人間関係の成果は「伝え方」で決まる。

自分のスキルや魅力を10持っていても、それを0.5しか伝えられなければ、評価は5にしかならない。

そして、多くの人が大人になって磨くのをやめるため、磨けば磨くほど、他との差別化ができ、自分の価値は上がっていく。

何より、ベースレイヤーで自信をつけることで、その上に敷かれている専門領域における活動はどの領域であってもある程度うまくいくといった自信につながる。

つまり、「話す力」を研磨し、人間社会のベースであるコミュニケーションで秀でることができれば、人生の難易度は一気に下がる。

じゃあ、この誰も教えてくれないスキル、どうやって磨いていけばいいのか。

4つの柱からなるフレームワークを通して解剖していく。

第一の柱:Mind — 自分なりのスタンスを確立する

人と話すときに自分を持っていない人は自分の意見を発信できない。

自分の意思がはっきりしていない、つまりマインドがクリアでない人の話は響かない。

まず初めに自分は誰なのか、どんな信念や理念を持っているのかといった広い意味での自分の立ち位置をはっきりさせる

広い意味での立ち位置を明確にしておくことで、意識していなくてもより自然と『自分らしく』話せる。

この『自分らしさ』は人と話し、そして良い関係を築いていく中でかなり重要。

とりわけ、長期的に関係を築いていく上で『自分らしさ』を持って話せない人は相手の印象に残らないし、相手の『自分らしさ』を引き出すこともできない。

そして、もう一つ明確にしておくマインドは「特定の状況での会話に何を求めているのか」という短期的な自分の立ち位置。

例えば大学3年生が就活イベントにいる時には、インターンをとると言ったような目的を持っているだろうし、

気になる女の子と初めてのデートに来た時には、彼女に楽しんでもらうことで、次も会ってみたいと思ってもらうと言った目的があるだろう。

こうした、より短期的な、状況に合わせた『自分の立ち位置』や『目的』を具体的に自分の中で定めておくことで、驚くほどに会話は自然と進む。

実際、いざ人と話す時にうまく話せないと言った人は、多くの場合に『自分の立ち位置』がはっきりしておらず、このマインドの面で準備し切っていない人が多い。

「俺はそんな準備なくてもどんな場面でもなんとか話せる」

こんな自信を持っている人もいるかもしれない。

実は僕もある程度話す力には自信もあり、こう思っていた(し、いまだに思っている)。

が、こういう人にこそこのマインドの面での準備を意識してもらいたい。

断言できる。

必ず、普段の即席の自分より円滑に、かつ効率的に話せる。

かつ、こうして準備をして臨むことで、自分の感覚に過信にも近い自信を持つことで、準備するだけで出せるポテンシャルを潰していたことに気がつける。

第二の柱:Logic — 簡単に謎の説得力を生み出す基礎的な論理

「話すのが苦手です」という人の多くは、実はロジカルに話せていないことがほとんど。

話すとは、ただ言葉を口にすることではない。

相手に「伝わる形で、意見を構築する」であり、

そこで必要になるのが、ロジック。

ロジカルに話せるだけで、「話がわかりやすい」「頭が良さそう」「なんとなく説得力がある」といった印象を与えることができる。

逆に、これがないと、話がどこに向かっているかわからないまま空中分解してしまう。

では、具体的にどうやって話せばロジカルに話せるのか?

ズバリいうと

結論→観点・理由→結論(再提起)

これをフォローするだけで簡単にロジカルに話せる。

話すことは基本的に

『質問を投げかけられる』

→『質問が根拠を持って回答される』

→『その回答に対して新たな質問がされる』

OR『全く新たな質問が新たなトピックにつながる』

これの繰り返し。

ということは、質問に答える、つまり『自分なりの結論』を述べるだけである程度の話は成り立つ。

ただ、質問への自分なりの回答を結論として述べるだけだと、ロボットと違いない。

だから、ここで結論を述べた後にその結論に至る理由を付け加えていく。

最後にもう一度軽く結論を述べることで自分の立ち位置を明確にしていく。

こうすると、他の誰かが反論や賛同してくるか、なんとなく周りが納得してこの質問(トピック)はここまでかと言った空気になる。

これだけで会話は楽になるし、話すことは簡単になる。

この『結論→理由→再度結論』のロジックをなぞるだけで、

そうしていない人との差別化ができるし、これだけで自分の話に説得感を持たせることができる。

説得感の話といえば、アメリカ人の中にはどう考えても言ってることは当たり前で大したことがないのにやたら『謎の説得感』があるやつが多い。

これはあくまで、僕の考察だが、彼ら話の中でのこの謎の説得感は『結論→理由→結論』と言った基礎的な論理を纏っているからくるものが大きい。

簡単にでもロジックをなぞって話すことは「うまく話す」の基礎。

とはいえ、『話が上手い人』がただ自分の結論をロジカルに述べる人かというと、そうじゃない。

誰にでも心あたりがあるはず。

いつも話の中心にいたり、他のみんなの印象に残るような人は他の人を笑わせたり、他の人を飲み込むような話をして強く印象に残る。

話に説得感だけでなく、『納得感』や『満足感』がある。

では、どうやって納得感や満足感を持たせるのか?

これは残りの2つの柱によってもたらされる。

第3の柱:Story — 相手を惹きつける最も簡単なトリック

会話の中で質問、トピックに対しての自分の結論をストーリーを添えることで、

普通の返答が聞き手の印象に残る返答へと進化する。

思い出してほしい。

最後に同僚と仕事の話をした時や恋人や友達とくだらない話をした時のことを。

同僚が上司を嫌っているや好いているかより、どんなことがあったからその同僚がその上司を嫌っているかと言った『結論の裏にあるストーリー』を覚えているんじゃないかと思う。

スタンフォード大学の研究の中で人は論理的な事実よりもストーリーの方が22倍も記憶に残りやすいという結果が出ている。

相手に強い印象を残せるような話ができる人になるためには、それだけ話の中でストーリーを挟む必要がある。

難しく考える必要はない。

話の中で出した結論に対して、補足としてなぜその結論に至ったのかと言ったバックグラウンドにあるストーリーを展開すればいいだけ。

どれだけ小さい話でも、例えその話がとんでもなく面白いものでなくてもいい。

ストーリーを付け足すだけでも意味はある。

とはいえ、このストーリーがより面白く相手を引き込むものであればそれだけ相手に残す印象も大きくなる。

話をより面白くする最も簡単な方法は『盛ること』。

話を作り上げたり、脚色したりするのは不誠実だが、

相手に印象を残す「話の上手い人」になる上で『盛ること』はそんなに悪いことではない。

ストーリーの中で数字や自分の感情に触れるときに思い切って盛ってしまう。

これで場の空気を引き寄せる。

そして、盛った後で『まぁ、これは流石に盛ったけど』と即座に付け加えて、本当の話をすればいい。

これなら嘘をつくことなく、相手の注意をさらに引くことができる。

(毎回のようにこれをするのはいうまでもなくバカだが)

また、話を脚色せずに盛らずにストーリーをより面白くしたいなら、自分の感情やストーリーの起伏に合わせて身振り手振りを使ったり、表情を変えたりするといい。

日本人は話すときにあまり、感情を出さないが、

裏を返せば抑揚をつけながら感情を表に出すことで他の日本人より濃い印象を残せる。

第4の柱:Engage — 相手を巻き込み場を支配する

Engageとは人を巻き込むこと。

ここまで見てきた3つの柱はあくまで自分視点で自己完結できる部分で意識できることだが、これらには限界がある。

話す力の最終形は「場を支配する力」。

つまり、自分が主導して会話をコントロールできる人になること。

このとき必要なのが、「相手を巻き込む力(Engage)」。

具体的には、以下の3ステップで人を巻き込んでいく。

① 相手を知る

  • 相手の立場・状況・目的を会話前 or 会話中に観察
  • 何に興味があり、何に注意が向いているかを探る

② 相手に投げる

  • 質問する:Yes/Noではなく、意見・経験を引き出す質問
  • リアクションする:笑う、うなずく、ツッコミを入れる

③ 流れを読む

  • 会話の熱量が下がった瞬間を感じ取る
  • 次のトピックへ自然に切り替える(例:過去→未来、事実→感情)

まず、相手を巻き込んでいく上では相手のことよく知っていればいるほどいい。

というのも、先に話したように会話は質問から一つのトピックへと話が広がっていき、そのトピックを深掘りするか次のトピックへ展開していくかが連続していくだけ。

そしてこの『トピックの展開、また深掘り』は質問から生まれ、相手のことを知っている方が質問は楽になる。

第一の柱で『自分の立ち位置』について考えたように、その場での『相手の立場や信念』について調べておくとそれだkで会話の展開はスムーズになる。

「うまく話せない」という人が会話の中のどこでつまづくかというと、トピックの転換点。

トピックが深ぼられていく中で、いつそのトピックを切って次の質問、トピックへと移っていくのか、これをうまく感じ取れない人は多い。

これも相手を巻き込んでいくことで把握できるようになる。

自分から積極的に相手に質問をすることで周りを巻き込んでいくと、ある程度のところで質問が尽きたり、深掘りの質問に対する興味や関心が薄れる瞬間がくる。

基本的にはこの時がトピックの転換点となる。

この時に自然と次のトピックに映ることでその場を支配することができ、「話せる人」になることができる。

と言ったように話を円滑に転換するには相手の感情や場の空気を察する必要があり、これは感覚に頼る部分も大きい。

が、この感覚を養ったりそもそも備えるためには自分から相手を巻き込んでイニシアチブを握ることが重要。

結論、相手を巻き込んでいくには、

まず相手のことを知り、適切な質問をして、

相手の反応を見ながら、質問を変えていき、

会話全体の流れをうまくコントロールしてく。

これに尽きる。

こうして、相手を知り・問い・流れを読むことで、

「その場をデザインする会話のファシリテーター」になれる。

これが“話せる人”の本質。

と言った感じで、4つの柱を通して「話す力」をつける方法について話してきた。

ここで話した内容はXなんかでよく見る『相手の話を聞きながら頷く』『鋭い質問をする』と言った断片的なコツではなく、より具体的で包括的なものになっているはず。

早速次に誰かと話すときに、4つの柱

Mind、Logic、Story、Engage

について意識してみてほしい。

「話す力」は結局話すことでしか身につかない。

が、話すことは人間の生活で最も多く行われる活動の一つ。

それだけ、反復をこなすことが可能。

今から4つの柱を駆使して、毎回の会話をトレーニングの場として使い、

「話す力」をスキルとして、研磨していこう。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

また来週!

Toma

まだ登録してない方へ

海外キャリア、ライフスタイル設計、自己成長
複雑な時代をシンプルに生きるための、視点と選択肢を届けます。
土曜の朝に届く、少し尖ったニュースレター。